皆様、今晩は!!本日は、皆さんの方が詳しいと思われますが、“梅”についてお話したいと思います。
梅の花は、現在咲き誇っております、あの梅でございます。身近にあるものは、知っているつもりでも、見過ごす事が多くあり、今日の卓話に選びました。早速ですが、演題に入らせていただきます。
梅の名称、諺
和名 ウメ(梅)、古名ムメ 好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)とも言います。 小生には想像もつかない時代ですが、奈良時代「万葉集」では”ウメ”、 平安時代以後は”ムメ”、そして、現在は”ウメ”と言っています。 中国音「メイ」の転訛。 薬用として渡来した燻し梅「烏梅(うばい)」に由来しているそうです。日本(九州北部)に自生していたという説もありますが、奈良時代以前に、中国文化と共に遣唐使が、薬木として、中国(湖北省・四川省)から日本に持ち帰ったものといわれています。
「梅」にまつわることわざや言い伝えは、たくさんあります。
塩梅(あんばい)
昔は、酸味と塩味で料理の味を引き立てる「梅酢(うめず)」が調味料として使われていました。そのことから、「塩梅(あんばい)」という言葉は、料理用語として使われていたのですが、後には政治用語として使われたこともあります。現在では、とても具合のよいことを「いい塩梅」といい、幅広く使われるようになりました。
花も実もある
外観も美しく、内容も充実していること。
松竹梅
「松」は厳冬にも落葉せず、断崖絶壁にも良く根を張ることから忍耐強く、真心を尽くす人。
「竹」は節を持った人。また隠し立ての無い正直な人。
「梅」は厳冬に咲く事から、激しい状況でも笑顔を絶やさない人。
梅一輪 一輪ほどの暖かさ
服部嵐雪の俳句。梅の花が一輪また一輪と咲くにつれて、気候も少しずつ暖かさを増すという意味。
梅は百花の魁(さきがけ)
年のはじめ、梅があらゆる花の先頭を切って咲き、春を告げることをいう。
梅を望んで渇きを止む
梅の実は想像するだけで唾が出てのどの渇きを止める。
大分県の県花・県木について
豊後梅は、NHKが第29回放送記念日に"郷土の花"として選定(昭和29年4月1日)、その後大分国体実行委員会において県の花として国体マークに使用し、以後県花として認められています。県木については、昭和41年8月16日に豊後梅を県木として制定しました。
豊後梅は、その名の示すように豊後(大分県)に発祥し、古くから豊後の名産として知られていました。徳川初期の1681年に出た水野元勝の「花壇綱目」にその名が見られ、当時から相当広く世に知られていたと考えられます。
また、豊後杵築藩主松平家から毎年将軍家に大梅の砂糖漬が献上されており、その美味なことと、果実の大きいこと、更に花の優美なことで非常に珍重されました。
豊後梅は他の梅と異なる次のような特性をもっています。
豊後梅はウメの一変種であって、一般に大型の果実をつける、いわゆる「大梅」の一種として知られています。
開花期は普通の梅より20日ないし30日遅く、おおむね3月の上旬から中旬にかけ、八重咲き(重弁)のみごとな花をさかせ、大輪で淡紅色をおびています。その花は清そでかつ優美であり観賞用として広く県民に愛されています。
果実は1個40~60グラム、直径4~5センチで、果肉厚く種子が小さい。食用として酸味が少なく、梅干のほか菓子その他に加工して珍味です。しかし、豊後梅は他花受粉であり、かつ花粉が少ないので結実が乏しく生産量は少ないです。
枝条が太く、また、古木になると主幹の下部に様々の形をした瘤ができます。
梅の種類
梅には、果樹として栽培される“実梅(ミウメ)”と観賞用の“花梅”があります。梅は変異性の強い植物で、実の大小、花弁の形、雌しべ、雄しべなど各種器官が多彩な変化をくり返しその品種は、登録品種だけでも400種。地方品種などを加えると一説には、1600種ともいわれています。
・実梅
全国的に栽培されている品種は少なくその土地の気候風土に適合した地方品 種が植えられています。
・花梅の種類
野梅(ヤバイ)系
原種の野梅が変化したもので、早咲きが多く、香りが高 く、花色は白、淡紅色、紅など。15種。
豊後(ブンゴ)系
樹勢があり、この系統の中にはアンズやモモの交配種 も入ります。多くは遅咲き。11種。
紅梅系
野梅系が変化したもので枝の断面が赤い種類。11種。
梅の種類で有名なものをいくつかあげます。
- 十郎(じゅうろう)
小田原の地域特産品種。
開花期は、小田原地域で2月上旬~中旬で他の主要品種より早く、花弁が白いのが特徴です。
果実は果皮が薄く、日が当たると赤色になります。平均果重は20~25gで、梅干し用として非常に優れています。
開花期が早いことから、凍寒害を避けるために南斜面の暖かい所に植える必要があります。
- 杉田(すぎた)
小田原市曽我地域で「白加賀」「曙」とともに古くから栽培されています。久良岐郡杉田(現横浜市磯子区)の梅林から持ち帰ったものとの説がありますが来歴はわかっていません。開花期は、2月上中旬で、花粉が多いことから授粉樹として広く用いられています。
- 臥竜梅(がりょうばい)
樹形に特徴のある梅です。
戦国時代の仙台藩主、伊達正宗公が朝鮮出兵のおり持ち帰った梅の木で紅梅と白梅があり、現在では宮城県松島町や鹿児島県東郷町、仙台市等々各地で大木が天然記念物や観光スポットになっています。
- 黄門垂(こうもんだれ)
開花期は1月下旬から2月下旬。
花色は淡紅色、花は一重大輪。水戸黄門様が好んだといわれています
- 開運梅(かいうんばい)
八重の中輪遅咲き。
豊後系種で樹皮が粗皮である。
開運を願ってつけられたのかは不明。