本日は、薬の教育のお話を取り上げました。
薬教育とは?そして今なぜこのような薬の教育が必要なのか・・ということなのですが、その前に昨年より まだ皆様の記憶には、新しいと思いもいますが、このお話から・・
ノリピーこと酒井法子や押尾学ら芸能人が薬物事件で相次ぎ逮捕される中、警察庁がまとめた昨年半期の薬物情勢によると、全国の警察が押収した覚醒剤の量は、約260キロと、前年同期に比べ約6倍の大幅増となったことが分かりました。「芸能界関係者は薬物事犯を一掃するよう、再発防止に真剣に取り組んでもらいたい」。と警察が発表しましたが、ロックバンドの中村耕一も覚せい剤取締法違反と麻薬取締法違反で起訴されています。芸能界だけではありません。高校生や中学生にもこの薬物汚染が広がっています。
神戸市の中学3年の女子生徒が大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕されました。昨年12月から今年1月にかけ、市内の別の中学生らが大麻を隠し持っていたとして相次いで逮捕・補導されたため、同校では薬物乱用についての教職員研修を実施。2月には予防のための講習を開くなど対策を取っていたが残念な結果になりました。生徒だけではありません。奈良県でも、自宅で大麻を所持していたとして、高校の教頭を大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕した。教頭の自宅も家宅捜索したところ、1階の自室クローゼット内にあったリュックサックから、ビニール袋に入った乾燥大麻と金属製キセルが見つかった。容疑者は「大麻は私のもので、自分で吸うために持っていた。3、4年前から吸い始めた」と、容疑を認めているという。
このように、薬物が人を変え社会を混乱させている現実があります。薬物を手に入れるために起こす恐喝や窃盗などの事件、乱用した薬物作用に基づく凶悪な犯罪を起こし、薬物は、暴力団の資金源となり、健全な社会を破壊します。家庭においては、けんかを起こしやすくなり、友人、知人から離れ、孤立などがおこってきます。ちなみに薬物は別の呼び名(隠語)で呼ばれている場合があります。
●覚せい剤(スピード、エス、シャブ)●大麻(チョコ、ハッパ、ハッシシュ)
●シンナー(アンパン、ジュントロ) ●MDMA(エクスタシー、エックス、バツ)
このように薬の怖さを知っていれば安易に手をだすことは、ないと思います。まさにくすり教育の必要性を感じます。薬物乱用の話は、また別の機会に話したいと思いもいます。
次に数年前よりメタボリックシンドロームという言葉をよく耳にします。以下の図のように・・
該当する人は、病院に行きなさい 自分で管理しなさい。医療費は、下がるだろうと思ったが、医薬経済社が調査した結果は、糖尿病など生活習慣病など減っていません。延長上には、人工透析も増えてくるでしょう。入院や外来においてもくすりの説明をしても理解できずにコンプライアンスの低下をまねいています。
もうくすり教育も、もう子供の頃より教えたほうがよいのでは、ないか。三つ子の魂百まで 小学生くらいで教えていたら、大きくなっても病院でお世話になったときに薬の飲み方を覚えているのでは、ないかということで、われわれ薬剤師が小学校や中学校に出向いて子供相手にお話をしなきゃいけないというご時世やってきました。東京の小学校では、必死になって養護の先生達が薬の勉強をしています。小学生の薬の教育はなにかというと、命の教育です。と同時に薬の教育は科学の教育でもあります。くすりの形や飲み方、くすりが効くまでの道のりなどです。子供は、理屈がわからないとやる気をおこしてくれません。理屈がわかると子供は、しっかり受け入れてくれます。
今回、中学校の「保健・体育」の項に、くすりの正しい使用教育が盛り込まれることになりました。これは、生涯を通じて健康の自己管理能力や改善能力を育てることを目標にした教育の一環で、中学校では、今後平成23年までを周知・移行措置期間とし、24年に全面施行となります。この項は、学校の判断で先行実施できることになってます。最後になりましたが、薬に携わる特に、学校薬剤師としては、その責任の重さを感じているこの事をお伝えして 本日の卓話を終わりにしたいと思います。