事務局 〒879-1506 大分県速見郡日出町3904-6 | |||
医療法人 久寿会 鈴木病院 | |||
TEL : 0977-73-2131 FAX : 0977-73-2132 | |||
mail : jimu@suzuki-hp.or.jp | |||
会長 | 奥 村 元 一 | ||
副会長 | 佐 藤 雪 | ||
幹事 | 臼 杵 德 二 | ||
副幹事 | 河 野 健 二 | ||
公共イメージ委員長 | 宮 﨑 仁 史 |
例会日 | 火曜日 | 19:00 | |
会 場 | 日出町 | ホテル&リゾーツ別府湾 |
■出席報告 | 秋吉尚康会員 | ||
会員総数 | 14名 | ゲスト | 0名 |
会員出席数 | 11名 (例会場10名 Zoom1名) | ビジター | 0名 |
会員出席率 | 84.6%(11/13) | 出席者数 | 11名 |
前々回出席率 | (8月24日) 64.3%(9/14) |
修正出席率 | (8月24日) 64.3%(9/14) |
100%連続回数 | 0回 | 100%通算回数 | 375回 |
出席免除会員 | 山田滋彦会員 |
● メイクアップ | |
事前 | |
事後 | |
● 欠 席 | 本多和夫会員、河野健二会員 山田滋彦会員 |
点鍾 | 19:00 |
ロータリーソング | 君が代、奉仕の理想 |
ゲスト | |
ビジター |
日出RC会長 奥村元一
先日、新型コロナウイルス デルタ株による家族クラスターに見舞われた東京の在住の知り合いと電話でお話しましたところ、以下の事を話していました。
感染経路は全く判らなく、家族全員5人ほぼ同時期に感染してしまったとの事。本人は、やはり最初に38度以上の熱が出て、体が凄くだるくなりその後1週間微熱が続き、その後もう一度38度以上に熱が上がったそうです。また味覚嗅覚は麻痺しますが、塩味だけは凄く過敏になり、食事の塩加減は難しく極端に薄味にしておいて、それぞれ食卓塩で後から調整したと言っていました。やはり2回のワクチン接種が済んでいる、70歳後半の父親と、70歳前半の母親は罹ったものの軽い症状で済み、おかげで家族全員、人工呼吸器を使うほどでは無く無事回復したとのことでした。 良かったです。
ワクチン接種は本当に大切だと、電話で力説していました。ちなみに、私もファイザーで2回の接種は完了しています。そして家族全員だったので、買い物等とても不自由な生活になってしまったとのこと。皆様も、くれぐれもお気を付けください。
さて、別府ではフルゴスペル別府教会のミサで40名を越えるクラスターが発生しました。
この教会、毎週金土日の3日間に渡り、ステージ上のバンド5人くらいに合わせて、参加者全員、中にはノーマスクの人も見受けられる状態で、聖歌を大声で歌い踊りまるでロックコンサートの様なミサを行っており、YouTubeにも多数動画を配信していました。現在でも視聴可能な状態です。驚きます!!東京の知り合い家族みたいに、通常生活を送っていても感染経路不明で罹る人達もいますし、自ら罹る可能性が高い場所に参加する人達もいます。ミサの参加者には、留学生や若い別府在住の外国人の皆さんが沢山見受けられます、生活のため、アルバイトをしている人達が多いと思われます。宗教が絡むと規制は難しいのかもしれませんが、それによって関係ない他の人達にも、うつして広げてしまうのは、堪えて貰いたいと強く感じました。
大分城西RC | 9月 8日(水)の例会は休会します |
9月15日(水)の例会は休会します | |
9月22日(水)の例会は休会(定款第7条第1節)します | |
9月29日(水)の例会は休会します | |
中津RC | 9月 8日(水)の例会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休会します |
9月15日(水)の例会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休会します | |
9月22日(水)の例会は休会(定款第7条第1節)します | |
別府東RC | 9月 9日(木)の例会は休会します |
9月23日(木)の例会は休会(法定休日)します | |
9月30日(木)の例会は12:30~杉乃井ホテルへ変更します | |
大分東RC | 9月 9日(木)の例会は休会します |
9月16日(木)の例会は休会します | |
9月23日(木)の例会は休会(法定休日)します | |
宇佐RC | 9月 9日(木)の例会は新型コロナウイルス感染拡大を鑑みて、休会します |
9月16日(木)の例会は新型コロナウイルス感染拡大を鑑みて、休会します | |
9月23日(木)の例会は休会(法定休日)します | |
9月30日(木)の例会は新型コロナウイルス感染拡大を鑑みて、休会します | |
別府RC | 9月10日(金)の例会は休会します |
大分南RC | 9月10日(金)の例会は休会します |
大分臨海RC | 9月13日(月)の例会は休会します |
9月20日(月)の例会は(法定休日)します | |
9月27日(月)の例会は未定です | |
大分RC | 9月14日(火)の例会は休会します |
9月21日(火)の例会は(定款第7条第1節)します | |
大分中央RC | 9月14日(火)の例会は休会します |
9月21日(火)の例会は(定款第7条第1節)します | |
中津中央RC | 9月14日(火)の例会はコロナ感染症感染拡大防止のため、休会します |
9月21日(火)の例会は(定款第7条第1節)します | |
湯布院RC | 9月14日(火)の例会は清掃奉仕活動、六所宮へ変更します |
9月21日(火)の例会は休会します (予定されておりました「ガバナー公式訪問」はコロナ感染予防により延期致します、日程未定) | |
大分1985RC | 9月20日(月)の例会は休会(法定休日)します |
本日(9月7日)、杵築日出警察署にて締結式の打合せに行ってきました。お手元に協定書(案)をお配りしております。
日程案は、10月13日(水)10:00~ か 10月20日(水)10:00~です。出席者は、会長、幹事、私となりますので、各自の都合を聞いて調整致します。また、その際にマグネットシートが出来上がっていると、取材されたときに画になるとのことですので、会長、幹事と相談して作製に入りたいと考えております。
一点注意を受けたのですが、各社車輛にマグネットシートを貼る場合、車の正面や背面に付けると、道交法違反になる恐れがありますので、側面に貼ってくださいとの事でした。そのほかの活動は、啓蒙のための配布物、町内パトランプの設置協力、清掃活動などは追々企画していくと答えております。因みに、ライオンズさんは、黒岩グランド周辺に防犯カメラの設置を予定しているそうです。
遅れ気味ですが、進んでおりますので、報告致します。
皆様こんばんは。別府市近隣7RC親睦ソフトボール大会の件ですが、1カ月前の9月24日(金)に大会をやるか、やらないかの最終結論を出しますと別府中央RCさんより連絡が届きましたのでご報告いたします。
また、10月2日(土)の早朝例会については、このあとの定例理事会で報告いたします。
宮﨑仁史会員(W): | 家内の誕生日にクラブよりお花を頂戴しました。ありがとうございました。 |
---|---|
はじめに-なぜ中山間地域に大学を設立するのか?
1.中山間地域とは何か?
農水省のホームページによると,「中山間(ちゅうさんかん)地域」とは、農業地域類型区分のうち、中間農業地域と山間農業地域を合わせた地域を指すものとされています。
山地の多い日本では、このような中山間地域が総土地面積の約7割を占めており,しかも,この中山間地域における農業は、全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割を占めるなど、我が国農業の中で重要な位置を占めています。
このような中山間地域では,どこでも,少子高齢化が顕著に進んでいます。特に,少子化の進行によって貴重な人材となっている若者が地域から都市へ向けてどんどん流出しています。このため,中山間地域では,若者の流出に歯止めをかけるための方策を講じることが喫緊の課題となっています。
2.日出町の人口動態の現状と10年後の予測
わが日出町も,中山間地域の例にもれず,少子高齢化が進行しています。人口そのものは,毎年60人ほど減少しているだけで,現在も28,289人(2021年8月1日現在)の人口を維持していますが,若者の流出に歯止めがかからない状態です。
現在の人口ピラミッド(人口動態図)を眺めてみると,20代の若者の人口が極端に減少しており,一度流出した若者はなかなか日出町に帰ってきてくれないという現状がよくわかります。
さらに,10年後の日出町の人口動態図(予想図)を見てみると,若者人口は,相変わらず極端に少なく,その上,人口自体も,現在の2万8千人台から,2万6千人台に減少することが予想されます。
日出町で生じている若者の人口流出の原因は,高校卒業後に進学すべき大学が日出町には存在しないことです。もしも,日出町に大学があり,その大学が,日出町の人々にとって一番大切な後継者を養成する大学であったならば,若者の流出を防止できるばかりでなく,町の産業が「持続的な発展」を遂げることが可能になるように思われます。
3.日出町の生き残りの戦略としての大学の創設
そこで,私は,最初に,既存の大学を誘致することを考えましたが,人口3万人に満たず,しかも,人口が減少しつつある町に大学を誘致することは,ほとんど不可能であることがわかりました。
しかし,そこであきらめないのが私です。私の信条は,言行一致とともに,「ないものは作る」というものです。
大学が来てくれないのであれば,大学を作ればよいのです。幸いにも,私が中心人物の一人となって創設し,私が初代会長を務める一般社団法人『法と経営学会』の仲間には,優れたデータサイエンスの専門家,情報通信ネットワークの専門家がいます。また,勤務大学で知り合った経営コンサルタントもいます。そこで,データサイエンスの学者・実務家2人,情報通信ネットワークの専門家,経営コンサルタントと私とで,大学を設立し,運営するための株式会社を立ち上げて,大学を設立する事業を開始することにしました。
最初の事業は,日出町ではなく,岡山県のある市に大学を設立する予定ですが,そこでの事業が成功すれば,次には,日出町で,大学を設立することにします。
その大学の全体像は,後に詳しく説目しますが,世界に通用する学識(データサイエンス,法学,経営学の三位一体)と実践力(語学力,説得力,マネジメント力)を備えた,後継者を養成する大学であり,名称は,「日出町・後継者養成大学(仮称)」です。
Ⅰ 中山間地域に大学を設立して成功した例
中山間地域で,大学を設立して成功するのだろうかと,心配する向きもあると思いますので,中央から遠く離れた秋田県の森の中で,2004年に設立されて,大成功を収めている「国際教養大学」の例を紹介したいと思います。
1.国際教養大学の教育
国際教養大学は,2004年に,秋田市の郊外の雄和に開校した,公立学校法人です。施設は,学生不足で前年(2003年)に廃校となったミネソタ州立大学機構秋田校(MSUA)の施設を,そのまま引き継いで,その施設をリノベーションしたため,施設整備費は,10億円で済んだとのことです。
(1) 開学の理念・教育目標
国際教養大学の開学の理念は,国際的に活躍できる人材の育成です。そして,教育目標は,すなわち,英語による卓越したコミュニケーション能力と豊かな教養を身につけた実践力のある人材を育成し,国際社会と地域社会に貢献することです。
「言うは易く,行うは難し」であり,このような人材を養成しようと思えば,教育方法は,以下のように,教員にとっても,学生にとっても,一見実現不可能に思えるほどに厳しいものです。
これを実現したところに,国際教養大学の成功の鍵があります。
(2) 教育方法
国際教養大学の教育方針は以下の通りです。
①授業はすべて英語で行う。
②少人数教育を徹底(1クラス15人程度)
③在学中に一年間の海外留学を義務化
④新入生は,外国人留学生とともに一年間の寮生活
⑤専任教員の半数以上が外国人
⑥厳格な卒業要件
⑦図書館は,365日24時間で開館
(3) 主な開講科目
A) 基盤教育
● 社会科学
● 芸術・人文化学
● 数学・自然科学
● 世界の言語と言語学
● 学際研究
● コンピュータ,キャリア,留学
● 日本研究
B) 専門教科目
[(a) グローバル・ビジネス課程](ミクロ・マクロ経済を中心とした国際経済社会の教養を修得)
● 必修専門核科目
● 選択専門核科目
● 総合セミナー
[(b) グローバルスタディズ課程](北米分野,東アジア分野,トランスナショナル分野の三つの分野に分かれて,文化,歴史,政治,経済を広く学習する)
● 選択専門核科目
● 総合科目
● 総合セミナー
2.国際教養大学の経営
(1) 運営
トップダウン方式による迅速で機動的な意思決定システムの構築,民間的経営手法の導入,第三者評価システムに基づく能力主義,成果主義の導入などを行っています。
運営費は,17億円(県からの交付金が11億円)です。
(2) 教職員
教員と職員とは平等で,すべて公募,任期制を採用しています。
任期は,最長9年まで更新可能で,定年は,67歳です。ただし,優れた教員については,更新回数の制限のない「無制限契約」,さらに,「無期限契約」を置くという,ステップアップ方式を採用しています。もっとも,その場合でも,定年は73歳どまりです。
人件費は,運営費の6割以内(10億円)にとどめています。詳しいことはわかりませんが,基準年俸は,1,000万円程度と推測されます。
(3) 学生
A) 学部生:学部定員は,開学時100人で,段階的に200人まで引き上げる予定だそうです。授業料は,年間53万5,800円です。また,1年生の時の寮費は,年間43万3,000円(月額約3万6,000円),内訳は,住居費(ワンルーム7.5畳)23万円,食費:20万円(1日3食,学期中),退去時清掃費:3,000円です。
B) 大学院生:開学から4年後に開設されました。定員は30名です。
Ⅱ.国際教養大学の設立後に生じた課題
1.SDGsの「誰一人取り残されない」社会の実現という課題
国際教養大学の教育方針は,一種のエリート教育です。ストレートで卒業できる学生は,全体の半数であり,後の学生は,何年か延長して卒業にたどり着いています。
卒業生の「質の保証」を大切にしていることはよくわかりますし,大切なことですが,「誰一人取り残されない」というSDGsの精神に則るならば,躓いた時点で,それをリカバーする教育カリキュラムも用意されるべきだと考えます。
2.AIの爆発的発展によって生じた多言語対応の容易さという課題
国際教養大学では,授業はすべて英語で行われ,それに適応するために学生は必至で勉強しなければなりません。教員も職員も同様です。
しかし,多言語の翻訳技術が長足の進歩を遂げている現在のAIの発展を考慮するならば,講義を英語ですることは必須ではなくなっているように思われます。
むしろ,日本語で入力(音声入力を含む)すると,自動的に英語に翻訳し,読み上げるソフトウエアが存在しますし,例えば,中国の留学生が中国語で入力すると,その中国語を自動的に,英語と日本語とに翻訳することが可能です。
このようなソフトウエアを駆使することによって,言語の壁を乗り越えることが検討されるべきでしょう。
3.パンデミックに対応するための課題
「ロータリークラブの例会は,不要・不急の行事ではない」といる考え方の下で,日出ロータリークラブが例会の灯を消すことがなかったように,今後発生する新しいパンデミックに対応するためにも,次のパンデミックが生じた場合にも対応できるように,講義は,原則をリモートとし,厳重な感染対策を講じることを条件に,希望する学生に対面の講義も許すという新しい通信教育のあり方が模索されるべきだと考えます。
Ⅲ 町立・日出「後継者養成大学」設立大学の構想
1.AIマッチングによる後継者問題の解決
日出町の若者流出の状況は,人口動態図を見れば,一目瞭然であり,その原因が,日出町に大学がないために,高校を卒業した多くの若者が大学のある都会へ流出するからであることも明らかです。
日出町の多くの若者が都市へと流出するという現象は,高齢化の進む日出町にとって,後継者不足という現象を加速させています。
人類の第1の目標は,人類が他の生物と共存しながら地球で生きのびることです。人類が世代を超えて生きのびてきたのは,人類が後継者を育ててきたからです。
後継者を育てることができなければ,経済は縮小し,持続的な活動は停滞してしまいます。私たちが賛同しているSDGs(持続的開発目標)の目的を達成するためにも,後継者を育成する活動を止めてはなりません。
この問題を解決するために,後継者養成大学においては,すべての業種の継続に必要な能力を明らかにするとともに,それぞれの業種に必要なカリキュラムを開発し,それを教えることができる教員とコンタクトを取って,すべての入学者に対して,それぞれの学生が望む業種に必要な知識・技術,そして,倫理を教育することができるように,AIを活用して,最適なマッチングを行うことにします。
AIマッチングの技術的な問題について,ここで触れることはできませんが,マッチングの基本的な考え方については,栗野盛光『ゲーム理論とマッチング』日経文庫(2019/10/15)を参照してください。
2.AI翻訳による異文化理解問題の解決
少子高齢化問題を解決するための第1の解は,後継者を育成することですが,第2の解は,外国の人材を含めて,優秀な人材を受け入れることです。
しかし,そのためには,私たちが異文化を深く理解し,言語の壁を乗り越えるコミュニケーション力を身につけなければなりません。
これまでは,これを個人の語学能力として個人の努力に委ねてきました。しかし,AIの発展によって,すべての言語は,英語を介して,同時翻訳が可能となる時代に突入しています。AI翻訳の利点は,どのような言語で入力しても,それが,瞬時に英語に翻訳され,かつ,日本語にも翻訳可能となっていることです。
このAI翻訳の力をうまく利用するならば,どのような国の人とも,個人の語学能力を度外視して,相互のコミュニケーションが可能となります。
そこで,後継者養成大学では,すべての教員,および,学生が,自国語でしゃべったり,書いたりすれば,それが,瞬時に英語に翻訳され,かつ,日本語にも翻訳されるAI翻訳の機能をフルに活用して,すべての国の人々が自由にコミュニケーションとれるようなシステムを開発します。そして,公用語を英語と日本語としつつ,多言語問題,異文化理解の障害を乗り越えることを試みます。
3.ハイブリッド授業によるパンデミック問題の解決
今回の新型コロナウイルス感染症で明らかになったことは,ウイルスのような顕微鏡でも見えず,電子顕微鏡で初めて確認できるような病原体が,空気を媒体として感染を引き起越すということになると,空気を吸って生きている人間にとって,完全な気密室の中だけで生活することができない以上,感染を完全に止めることはできないということです。
頼りになるワクチンも,完全ではありませんし,ウイルスの変異には対応できません。しかも,最後の砦としての人間の免疫力にも限界があります。
したがって,空気感染を防ぐために,人間が簡単にできることといえば,三つの密(密閉,密集,密接)をなるべく避けることしかありません。
このことを考慮するならば,インターネットを利用したリモート授業は,パンデミックから身を守りつつ,高度な教育を可能にする最高の手段であり,感染の状況を見極めつつ,この方法を利用しない手はありません。したがって,後継者養成大学では,いざというときには,完全なリモート授業で卒業要件をクリアできる方法を実現するとともに,感染が収まった場合には,リモートと対面授業とを併用するという方式を採用することによって,パンデミックの中でも,教育活動を止めることなく持続させることが可能となります。
おわりに
1.誰一人取り残されない社会の意味
教育というと,エリート教育が注目されますが,これまでの歴史を眺めてみると,エリートの暴走をフォロワーが制御できなくなったときに悲劇が生じていることがわかります。世の中に,絶対といえる法則は数少ないのですが,「人間はいつか必ず死ぬ」,「権力は腐敗に向かう,絶対的権力は絶対的に腐敗する」という法則は,例外がない原則といえます。
エリートは,権力に結び付きやすいため,フォロワーが適時の交替を求めたり,フォロワーがエリートに交代できたりする実力を身につけておくことが必要です。
日本の最大の悲劇である,第二次世界大戦による敗戦も,エリートたちの暴走を国民が止められなかったことにあります。
「誰一人取り残されない」というSDGsの基本理念は,躓かずに成長を遂げる学生たちだけでなく,途中で何らかの原因で躓いた学生に対しても,援助の手を差し伸べ,躓きの原因を取り除くことを通じて,時間はかかってもエリートと同様の学力をつけさせるべきであることを示唆しているように思われます。
一般の国民がエリートと同様の学力を身につけ,常にエリートに交代できるようになるか,少なくとも,エリートの暴走を見破る力を身につけることこそが,国民生活を平和で豊かにするために不可欠の前提なのです。
後継者養成大学では,基幹となる①AI・データサイエンス,②法学・ガバナンス,③経営学・経済学の三位一体教育ばかりでなく,躓きを防止できる少人数教育,外国語を含めたリベラル教育を重視することを通じて,いつでもエリートに交代できる能力,少なくとも,エリートの暴走を阻止することができる能力を身につけることをめざすことにします。
2.教育到達目標と大学卒業後の人物像
後継者養成大学では,あらゆる職種について,その後継者となるための学力を身につけることをめざすばかりでなく,人生を幸せに過ごすことができるように,以下の三つの能力を養成することにも力を入れます。
第1は,他人を大切にする。
第2は,自分を育てる。
第3は,失敗を恐れずにチャレンジする。
これらの3つの生活上の行動指針の3項目は,それぞれ,2つに分岐して,以下のような6項目を重視して教育を行います。
Ⅰ 他人を大切にする
① 他人の嫌がることをしない(論語:己の欲せざることを人に施すこと勿れ(顔淵第十二2,衛霊公第十五24))
② 他人がしてほしいと思うことを進んでする(聖書:自分が他人にしてほしいと思うことを他人にしなさい(Matthew 7:12,Luke 6:31))
Ⅱ 自分を育てる
③ 「好きこそものの上手なれ」ということわざがあいますが,現実には逆で,「上手こそものの好きなれ」です。
何事も上手になると好きになります。そして,好きになると,よりいっそう上手になるのです。したがって,教育とは,好きなことを上手にさせるのではなく,人生で必要なことは,たとえ,学生が嫌いなことでも,上手にさせることをめざして訓練をすべきです。最初に上手にさせてこそ,「好きこそものの上手なれ」という好循環が実現できるのです。
④ 「継続は力なり」ということわざがあります。
良いと思うことは,嫌いなことでも頑張って継続することが大切です。継続して無意識にできるようになったときに,それが,その人の「人格」といわれるものとなるのです。
Ⅲ チャレンジする
⑤ 失敗を恐れず,チャレンジする
⑥ 失敗したらやり直す,もしもやり直せない失敗をした場合には,相手が立ち直るまで,償いをする。
3.ロータリークラブにおける持続的発展の意味
ロータリアンとして,もっとも重要な課題は,「中核的価値観」(親睦(Fellowship),高潔性(Integrity),多様性(Diversity),奉仕(Service),リーダーシップ(Leadership))を身につけることです。
実は,これらの中核的価値観は,先に述べた3つの行動指針を2つずつに分岐させた6つの行動指針の内の5つの項目ににぴったりと適合し,しかもアルファベット順に整理できてしまいます。
すなわち,第1の「他人を大切にする」という項目に,Diversity(多様性)とFellowship(親睦)が入ります。第2の「自分を育てる」という項目に,Integrity(高潔性),Leadership(リーダーシップ)が入ります。第3の「チャレンジする」という項目に,Service(奉仕)が入ります。その上,最後の「失敗したらやり直す」という項目にResilience(回復力)を付け加えるとことができるでしょう。
このように考えると,後継者養成大学の卒業者は,それぞれの業種に適応した技術力と適切な倫理を身につけるばかりでなく,それが,ロータリアンの「中核的価値観」に一致するのですから,ロータリアンの会員獲得戦略としても,最高の方法となっていると思われます。
会員獲得に尽力されている皆様は,若者のロータリアンを育成するためにも,後継者養成大学のプログラムに賛同されることを求めたいと思います。
参考文献
・ 新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新聞社(2018/2/15)
・ 新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』東洋経済新報社(2019/9/19)
・ 石川一郎『2020年からの新しい学力』SB新書(2019/9/15)
・ 石戸奈々子編『日本のオンライン教育最前線-アフターコロナの学びを考える』明石書店(2020/10/1)
・ 大川繁子『92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て』実務教育出版 (2019/9/11)
・ 大野和基 編『コロナ後の世界』文春新書(2020/7/20)
・ 落合陽一『2030年の世界地図帳-あたらしい経済とSDGs,未来への展望-』SBクリエイティブ
・ 筧裕介『持続可能な地域の作り方-未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン』英治出版(2019/5/10)
・ 蟹江憲史『SDGs(持続可能な開発目標)』中公新書 (2020/8/20)
・ 栗野盛光『ゲーム理論とマッチング』日経文庫(2019/10/15)
・ 澤田昭夫『論文のレトリック-わかりやすいまとめ方』講談社学術文庫(1983)
・ 杉原厚吉『大学教授という仕事』水曜社(2010/1/25)
・ 武村政春『生物はウイルスが進化させた-巨大ウイルスが語る新たな生命像-』ブルーバックス(2017/5/1)
・ 武村政春『ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ!-役に立つウイルス・かわいいウイルス・創造主のウイルス』さくら舎(2019/1/11)
・ 筑摩書房編集部編『コロナ後の世界-いま,この地点から考える』筑摩書房(2020/9/1)
・ 東洋館出版社編『ポスト・コロナショックの学校で教師が考えておきたいこと』東洋館出版(2020/6/10)
・ 中嶋嶺雄『なぜ,国際教養大学で人材は育つのか』祥伝社黄金文庫(2020/12/20)
・ 中屋敷 均『ウイルスは生きている』講談社現代新書 (2016/3/20)
・ 西垣通『AI原論-神の支配と人間の自由』講談社選書メティエ(2018/4/10)
・ 西垣通=河島茂生『AI倫理-人工知能は「責任」をとれるのか 』中公新書ラクレ(2019/9/6)
・ D・S・ピュー(角谷 快彦訳)『博士号のとり方―学生と指導教員のための実践ハンドブック―』〔第6版〕名古屋大学出版会(2018/10/17)
・ バイロン・リース(古谷美央訳)『人類の歴史とAIの未来』ディスカバー・トゥエンティワン(2019/4/30)
・ 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書(2007/5/20)
・ 福岡伸一『生命と食』岩波ブックレット(2008/8/6)
・ 福岡伸一『できそこないの男たち』光文社新書(2008/10/20)
・ 福岡伸一『新版 動的平衡1-生命はなぜそこに宿るのか(生命とは何か)-』小学館新書(2017/6/5)
・ 福岡伸一『新版 動的平衡2-生命は自由になれるのか(生命はどこから来たのか)-』小学館新書(2018/10/8)
・ 福岡伸一『動的平衡3-チャンスは準備された心にのみ降り立つ-』木楽舎(2017/12/1)
・ 松尾豊『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの 』角川EPUB選書(2015/3/11)
・ 南博=稲場雅紀『SDGs-危機の時代の羅針盤』岩波新書(2020/11/20)
・ 村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる-私たちの提言』岩波新書(2020/7/17)
・ 室田武『エネルギーとエントロピーの経済学―石油文明からの飛躍』東経選書(1979/1)
・ 養老孟司=ユヴァル・ノア・ハラリ=福岡伸一=ブレイディみかこ=ジャレド・ダイアモンド=角幡唯介他(朝日新聞社編)『コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線』朝日新書(2020/8/11)
・ リヒテルズ直子(監修・出演)『明日の学校に向かって-オランダ・イエナプラン教育に学ぶ-』グローバル教育情報センター(2015)
・ リヒテルズ直子『今こそ日本の学校に!イエナプラン実践ガイドブック』教育開発研究所(2019/9/1)
・ ジェレミー・リフキン(柴田裕之訳)『限界費用ゼロ社会-<モノのインターネット>と共有型経済の台頭-』NHK出版 (2015/10/27)
・ ジェレミー・リフキン(柴田裕之=伊藤陽子訳)『スマート・ジャパンへの提言-日本は限界費用ゼロ社会へ備えよ-』NHK出版(2018/4/25)
・ L・ランダル・レイ(中野 剛志=松尾 匡・解説, 島倉 原=鈴木 正徳・訳)『MMT現代貨幣理論入門』東洋経済新報社 (2019/8/30)
・ 渡辺信一『AIに負けない「教育」』大修館(2018/8/1)