会長の時間

日出ＲＣ会長　加賀山　茂

「四つのテスト」の意味

　はじめに
　本年度の第1回目の「会長の時間」がやって参りました。皆さま，覚悟されておられるとは思いますが，私の話は，長くて難しくて，眠たくなる方が多いようです。そこで，皆さまが眠たくならないように，今日のゲストの別府RC、別府東RCおよび別府中央RCの皆様をも巻き込ませていただき，質疑応答を交えながら，スピーチををさせていただくことにします。
　さて，今日のテーマは，月初めに私たちが必ず唱和する，ロータリアンとして身につけるべき「言動のチェックリスト」，すなわち，「四つのテスト」について，その意味を明らかにしたいと思います。
　ところで，何かの意味を明らかにするためには，空間・時間的対比等の様々な対比，および，全体構造を明らかにする必要があるとされています。
　そこで，今回は，「四つのテスト」について，第1に，日本文と英文との対比，第2に，「四つのテスト」とは，正反対の考え方（「儲けさえすればよい」）との対比，第3に，ホルーガー・クナークRI会長のテーマ「ロータリーは機会の扉を開く」の三つの扉との関連において，「四つのテスト」の全体構造を明らかにしたいと思います。

　1. 日本語と英語との対比
　「四つのテスト」の意味を明らかにするために，最初に，国際ロータリークラブが採択している英文と，日本ロータリークラブが採用している日本語の比較から始めたいと思います。

　第1文，第3文～第4文までは，きれいな日本語になっていると思います。しかし，第2文「みんなに公平か」は，英文「Is it FAIR to all concerned?」と意味が，少しばかりずれているように思います。
　そこで，法律に詳しい弁護士の西馬・別府中央RC会長に質問させていただきたいと思います。

　ありがとうございます。素晴らしいお答えに，会場からも拍手が起こっています。
　日本では，法律を英語に翻訳する仕事が進められていますが，日本の法令のすべてを検索してみると，「公平」という言葉は，法律用語としては，全く使われていません。そして，その代わりに「公正」という言葉が使われており，その英語訳は“Fair”です。
　したがって，四つのテストに出てくる“Fair”の日本語訳としては，「公正」の方がより適切だということになると思います。
　いずれにしても，日本ロータリークラブの訳を鵜呑みにする必要はないということだと思います。権威に対しても，批判的に考えることが大切です。

　2. 正反対の考え方との対比
　「四つのテスト」の意味を考える上で，次に，反対の考え方との対比を行いたいと思います。というのも，「四つのテスト」を現在の視点から読んでみると，「当たり前のこと」が書かれているだけだと思ってしまうからです。
　しかし，ロータリークラブが成立した当時，そして，「四つのテスト」が作成された時代に思いを馳せるならば，この「四つのテスト」の意味がより一層はっきりしてくると思います。
　そこで，「四つのテスト」とそれに対立する「儲けさえすればよい」という考えに立った「四つの正反対のテスト」を対比しながら，「四つのテスト」の意味を考えたいと思います。

　この点について，ロータリークラブの設立の経緯に詳しい，権藤和夫・別府RC会長のご意見を伺いたいと思います。

　ありがとうございました。「四つのテスト」の意味を考える上で，ロータリークラブの設立の歴史に立ち返ることが重要であることがよくわかりました。
　ところで，「四つのテスト」のうち，最初の文である「真実かどうか」というのは，かなり難しい判断を要求されますよね。
　ここで，「真実かどうか」について真剣に向き合ってこられた壇上陽一・別府東RC会長のご意見を伺いたいと思います。

　ありがとうございました。さすがにその道の達人のお言葉ですね。
　以上，ゲストを代表していただいて，会長のお言葉をいただきました。それぞれのロータリークラブの会長の方々が，ロータリークラブに対する歴史，そこで使われている重要な用語とか概念に対して，いかに深い理解をされているかを実感することができました。
　日出ロータリークラブの一人ひとりの会員も，ロータリークラブの歴史や重要な概念について学習を深める必要があることを胸に刻んだことと思います。
　このように，一つのクラブでものごとを考えるのではなく，大分第三グループ（6RC）内での交流を盛んにし，お互いに学び合うことが大切だと感じました。

　3. 「ロータリーは機会の扉を開く」との対比
　それでは，最後に，まとめに入りたいと思います。これまで，「四つのテスト」のRIの原文，「四つのテスト」が生まれた当時の職業倫理と比較しながら，「四つのテスト」の意味を探求してきました。
　最後に，「四つのテスト」の意味を，今年度のRI会長のテーマである「ロータリーは機会の扉を開く」という「三つの扉」に即して，「四つのテスト」の全体構造をまとめたいと思います。

　さて，「四つのテスト」を「三つの扉」に合わせて構造化するのですから，四つのテストのうちの一つを外に出さなければなりません。
　ヒントは，第2文「みんなに公平（公正）か」と第4文「みんなのためになるかどうか」に「みんな」という言葉が共通している点です。
　よく考えてみると，第4文「4. みんなのためになるかどうか」は，実は，四つのテストの最終目標（最大多数の最大幸福）であることが分かります。
　そこで，第4文を「四つのテスト」を総括する目的として外に出します。その上で目的を実現する手段として，主観的手段と客観的手段とに分類します。
　主観的手段は，三つの扉のうちの第1の扉（和らぎ・睦びの機会）と第2の扉（職業倫理の向上の機会）に該当します。すなわち，「3. 好意と友情を深めるか」，「2. みんなに公平（公正）か」です。
　そして，客観的手段は，第3の扉（次世代に対する奉仕の機会）に該当します。すなわち，科学的検証と歴史の審判に耐えうる真実の探求としての「1. 真実かどうか」です。
　このように，「四つのテスト」の順番を逆にたどることによって，「四つのテスト」の意味が明確になると思います。
　すなわち，「4. みんなのためになる」という目的を達成するためには，まずは，グループ内で「3. 好意と友情を深める」とともに，「2. みんなに公平（公正）」になるように職業倫理を向上させて，「1. 真実かどうか」を常に吟味しつつ，奉仕の実践を行うことが必要だということになるのだと思います。

　おわりに
　以上の質疑応答を通じて，「四つのテスト」（1．真実かどうか，2. みんなに公平（公正）か，好意と友情を深めるか，4. みんなのためになるかどうか）の意味を，今年度のRI会長のテーマ（ロータリーは機会の扉を開く）の三つの扉とも関連させながら明らかにすることができたと思います。
　次回は，ロータリークラブの最大の理念としての「ロータリーの目的」について，質疑応答を通じて，今回のRI会長のテーマ（ロータリーは機会の扉を開く）がどのようにして作成されたのかについて，その種明かしに挑戦したいと思います。ご期待ください。

幹事報告

本日の予定

• 別府４ＲＣ・日出ＲＣ　会長幹事就任挨拶例会

本日のゲスト

• 権藤 和雄様（別府ＲＣ会長）
• 永松 直樹様（別府ＲＣ幹事）
• 檀上 陽一様（別府東ＲＣ会長）
• 笠木 隆弘様（別府東ＲＣ幹事）
• 西馬 良和様（別府中央ＲＣ会長）
• 梶原 和朗様（別府中央ＲＣ幹事）

次週の予定

• ７月１４日（火）就任挨拶（重点施策）、クラブ協議会（公式訪問に向けて）

今後の予定

• ７月２１日（火）休会
• ７月２８日（火）硯川昭一ガバナー公式訪問（ホテルサンバリーアネックス）

今週の配布物

• 週報（第１６９０回分）
• ガバナー月信　７月号

今週の回覧物

• 地区事務所より『ガバナーノミニー・デジグネート候補者推薦について』
• 日出町交通安全推進協議会より『交通安全街頭啓発活動の実施について』

お知らせ

• （*）２０２０年７月のロータリーレートは、１ドル＝１０７円
• （*）７月２日（木）別府東ＲＣ例会出席
  　　　出席：臼杵德二ガバナー補佐、加賀山茂会長、秋吉尚康幹事
• （*）７月３日（金）別府ＲＣ例会出席
  　　　出席：臼杵德二ガバナー補佐、加賀山茂会長、秋吉尚康幹事
• （*）７月４日（土）２０２０～２１年度 ガバナー補佐・会長懇親会
  　　　出席：臼杵德二ガバナー補佐、加賀山茂会長
• 『令和２年おおいた夏の事故ゼロ運動』
  日時：７月１３日（月）午前７時３０分～８時
  　　　７月２０日（月）午前７時３０分～８時
  　　　場所：佐尾交差点
• 『硯川昭一ガバナー公式訪問（大分第３グループ６ＲＣ合同例会　ホスト：別府東ＲＣ）』
  　　　日時：７月２８日（火）
  　　　会場：ホテルサンバリーアネックス
  　　　時間：１７：３０～集合記念写真撮影
  　　　　　　１８：００～合同例会および硯川昭一ガバナーアドレス
  　　　　　　１９：００～懇親会

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例会変更

別府北RC	7月 8日（水）の例会は『例会場の都合』の為、『12:30～悠彩の宿ホテル望海』へ変更します
	7月15日（水）の例会は『例会場の都合』の為、『12:30～悠彩の宿ホテル望海』へ変更します
くにさきRC	7月 8日（水）の例会は『夜例会』の為、『19:00～ホテルベイグランド国東』へ変更します
	7月22日（水）の例会は『休会』します
宇佐RC	7月 9日（木）の例会は『19:00～米沢観光園』です
	7月16日（木）の例会は『12:30～米沢観光園』です
	7月23日（木）の例会は『休会』します
	7月30日（木）の例会は『12:30～米沢観光園』です
湯布院RC	7月14日（火）の例会は『例会場の都合』の為、『吉村歯科』へ変更します
	7月21日（火）の例会は『休会』します
	7月28日（火）の例会は『ガバナー公式例会』の為、『17:30～サンバリーアネックス（別府市）』へ変更します
大分RC	7月14日（火）の例会は『親睦夜間例会』の為、『18:30～ホテル日航大分オアシスタワー』へ変更します
大分東RC	7月1６日（木）の例会は『夜例会』の為、『18:30～ザ・ブリッジ』へ変更します
	7月23日（木）の例会は『休会』します
大分南RC	7月17日（金）の例会は『12:30～オンライン例会』とします（ＭＵはトキハ会館４Ｆ）
大分臨海RC	7月20日（月）の例会は『休会』します
大分中央RC	7月21日（火）の例会は『休会』します
	7月28日（火）の例会は『暑気払い笑談会』の為、『18:00～こつこつ庵』へ変更します
大分城西RC	7月22日（水）の例会は『休会』します
杵築RC	7月24日（金）の例会は『休会』します
	7月31日（金）の例会は『会長幹事激励会』の為、『18:30～焼肉みやべ』へ変更します
	8月14日（金）の例会は『休会』します
大分1985RC	7月27日（月）の例会は『夜例会』の為、『19:00～コンパルホール』へ変更します

ニコボックス

佐藤　雪会員（Ｗ）：	皆様のご支援のおかげで無事幹事の大役を務めあげることができました。心より感謝いたします。また先日は、会長幹事の慰労会を体調不良で欠席し、申し訳ありませんでした。一年ありがとうございました！

臼杵德二会員（Ｔ）：	足元の悪いところ、別府４ＲＣ会長幹事様、日出ＲＣ例会にご参加頂きありがとうございます。ガバナー補佐として力強い方々のご協力を頂き、心強い思いをしています。有難うございます。

加賀山茂会長（Ｔ）：

第1回 次世代への奉仕活動を実践しよう 　新型コロナウイルス感染症対策として国民全員に支給される十万円について，私は，世代間ギャップを考慮して，給付金を受け取らないことにしました。その理由は，以下の通りです。 　私たち高齢者は，2か月に1度，相当額の年金を受け取っています。若い世代は，私たちの年金を支えてくれていますが，将来，年金を受け取ることができるかどうか不透明です。しかも，新型コロナウイルス感染症の拡大によって自粛する企業が増加したため，そのあおりを受けて，アルバイトができなくなって学業を継続できなくなる，就職も困難になる，奨学金が返せなくなる，非正規職員のため解雇される等々，厳しい現実に直面しています。 　したがって，私としては，安定した年金受給者は，十万円の給付金を受け取るべきではなく，それを若い世代に回して，若い世代にその倍額を支給すべきだと考えております。 　先日，この話を日出ロータリークラブの会員にしたところ，「それはもったいない。十万円の支給を受けて，日出ロータリークラブに寄付するのが良い。」とのアドバイスを受けました。しかし，この提案は，「相当な年金の受取者は，十万円の支給を受けるべきでない」という私の信条に反します。 　それで，私は，自らの信条に従って，十万円の給付金の受け取りを拒絶しつつ，日出ロータリークラブの会長になった縁を大切にし，イエナプラン・オランダ研修への教員の派遣活動など，「次世代への奉仕活動を実践しよう」という日出ロータリークラブの今期の重点目標の実現に少しでも役立てることができるように，これから1年間，ポケットマネーから毎回ニコボックスに一定額を寄付することにしました。 　今日がその初回です。トリプルでお願いします。