委員会報告

日出ロータリ旗争奪少年野球大会について　青少年奉仕委員長　宮﨑仁史会員

９月２２日に予定しておりました、日出ＲＣ旗争奪少年野球大会は台風の影響で、残念ながら実施できませんでした。
先日、日出町少年野球連盟より連絡があり、１０月２２日（火）即位礼正殿の儀・祝日に一日で再実施するとのことです。仕切り直しですので、来賓にはお声掛けせず、日出クラブメンバーだけで実施したいと考えています。大会に参加できる方は、ご参加お願い致します。

米山学友総会について　米山カウンセラー　石和桂子会員

９月２７日（金）に米山学友会総会・懇親会に出席致しました。
今度、米山奨学生が１３０ケ国になったそうです。自己紹介や日本舞踊をしたり、とても楽しく過ごすことが出来ました。また臼杵さんに迎えに来て頂いて大変助かりました。

別府市近隣７ＲＣ親睦ソフトボール大会について　大会実行委員　上野公則会員

１０月１日（火）　１７時３０分～　例会場にて別府市近隣７ＲＣ親睦ソフトボール大会の第１回実行委員会を開催しました。
内容については案内状、プログラムの確認。グラウンドの予約、審判の手配、弁当、テント、懇親会の確認などです。会員皆様方のご協力をお願いします。大会要項については、後日お送りします。

次年度ガバナー補佐研修会について　臼杵德二ガバナーエレクト

９月２８日　第１回次年度ガバナー補佐研修会が熊本で開催され、参加致しました。懇親会もあり、有意義な時を過ごしました。私用の為、早退致しましたが、次回からも頑張ろうと思います。

１．2030年には，銀行員などの主要な職業が危機的状態に陥る?
　今まで通りのことをしていては，生き残れないというのが，AIが人間の知能を超える年といわれている2045年が近づきつつある現代の状況でしょう。
　朝日新聞（2019年9月8日朝刊）の伝えるところによると，野村総研やオックスフォード大学の試算では，2030年頃に，「日本の労働人口の49%がＡＩやロボットで自動化される。このため，例えば，旅行業者・銀行員は，絶滅危惧種となる。他方で，AI人材は，12万4,000人が不足する。」というのです。

２．小学校からのプログラミング教育で親の出番がなくなる?
　これに対応するため，読売新聞（2019年6月7日夕刊）によれば，「文科省は，全大学の全学部にAI課程を置くこととし，文理問わず統計，プログラミング学習が実施されるようにするための準備に着手した」と伝えています。
　これに先立って，小学校からプログラミング教育が実施されることになっているため，親たちは，これまで学んだこともないプログラミングなどという科目を子どもたちが受けているのを傍観することしかできず，親が子どもを教えることすらできないという事態が生じるかもしれません。
　文化は，従来は，親から子へと伝達されてきたのですが，このままの事態を放置すると，2030年頃には，明治維新や敗戦後の事態と同様に，親の文化と子の文化とが断絶を生じる危険性があります。親が子を理解できず，子が親を尊敬できないという事態は，決して良い状態ではありません。

３．未来予測の考え方　－すべての可能性は用意されている?
　人間は，未来を正確に予測することはできません。特に，進化論が，進化の原因を全くの偶然の「突然変異」に求め，「突然変異によって生じた新種と従来種の競争を通じた適者生存」という考え方に立つ場合には，未来を予測することは馬鹿げた考え方でした。
　しかし，最近の分子生物学の発展，特にiPS細胞の研究を通じて，すべての細胞は，どのような器官にもなりうる潜在的能力を有していることが明らかになると，異端の考え方とされていた今西錦司の進化論が再評価されつつあります。
　すなわち，今西錦司は，「進化の原因は，突然変異ではない。種には，すべての可能性が，初めから用意されている。そして，環境の変化に応じて，適切なものが選択されて出現するに過ぎない。」（今西錦司『生物の世界』弘文堂（1941）講談社文庫（1972））と主張していたのですが，この考え方が脚光を浴びています。
　そのように，すべての可能性が準備されており，状況に応じて適切なものが選択されるという考え方に従うと，実は，未来も，過去と現在によってすべての可能性が用意されており，状況の変化に応じて人類がある結果を選択しているに過ぎないと考えることができるようになります。

４．ジャック・アタリの2030年予測は，当たりか?
　今回，ここで紹介するジャック・アタリ（林昌宏訳）『2030年 ジャック・アタリの未来予測－不確実な世の中をサバイブせよ！－』プレジデント社（2017/8/10）も，そのような考え方に基づいて，過去の歴史の詳細な分析に基づいて，今後10年間に起こりうる楽観的な予測，および，悲観的な予測を対比して検討した上で，以下のような危険が生じうると警告を発しています。
　特に，第1に，「経済・金融危機を引き起こす六つの火種」（１．中国の金融バブルがはじける。２．保護主義の激化によって国際貿易が危機を迎える。３．イタリア・ドイツの銀行システムが崩壊する。４．国の巨額の債務バブルが崩壊する。特に日本が抱えるリスクは著しく高い。５．アメリカの投資家の破綻によって金融危機が引き起こされる。６．ホルムズ海峡・マラッカ海峡の閉鎖による原油価格の高騰が引き起こされる。），および，第2に，「世界大戦を勃発させる六つの起爆剤」（１．東・南シナ海の危機，２．旧ソビエト連邦における危機，３．パキスタンの核戦略，４．中東の危機，５．サヘル地域とアフリカの角（ソマリア全域・エチオピアの一部）における危機，６．イスラーム国の復活）を挙げて，それらの危機を回避するための方法を検討しています。
　私たちも，「対岸の火事」と思わず，他者が行おうとすること，そして世界の行方について，絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめる努力を怠らないようにしないといけないと思います。

５．日本人が特に注意しなければならないこと
(1) ジョークに学ぶ　－「皆さん，飛び込んでいますよ」
　日本人の性向を問題にした有名なジョークがあります。世界旅行をしていた客船が沈没しそうになったため，すべてのボートを使って女性と子供を退避させた。そして，残った男性を沈没船に巻き込まれないように，海に飛び込ませることになった。嫌がる男性を海に飛び込ませるためにどのように放送すればよいかという問題形式のジョークです。
　
　・イギリス人には，「紳士は飛び込むものです」というと飛び込んでくれる(騎士道精神)。
　・フランス人には，「飛び込んではいけません」と言えば飛び込んでくれる（反骨精神）。
　・ドイツ人には，「命令だから飛び込みなさい」と言えば飛び込んでくれる（順法精神）。
　・イタリア人には，「美女が飛び込んだぞ」と言えば飛び込んでくれる（エロス精神）
　残った日本人に何を言えば飛び込んでくれるのでしょうか？
　・日本人には，「皆さん飛び込まれましたよ。」と言えば飛び込んでくれる（同調精神）
　
　以上が，有名なジョークです。日本人は，自分で考えて独自に行動すると非難される（他人から悪く言われるのを嫌う）ので，他人が何を考え，どのように行動しているかを見てから，それに同調する国民だということが知れ渡っているのです。
　日本人の同調精神は，みんなが正しいことをしているときには，「強み」となります。しかし，みんながよくないことをしているときには，「弱み」となり，とんでもないことが起こります。中国とアメリカを同時に相手に戦争をしたり，みんなが使っているスマホで中毒になったり，子どもの学費のために破産したりと，みんなと違うことをあえてすることが苦手です。
　
(2) 和の精神の正しい解釈　－「和は同とは異なる」
　日本人の陥りやすい「同調精神」，「同調圧力に極端に弱い」という点ですが，同調精神と「和の精神」は，全く異なることを理解していない人が多いのが困りものです。
　わが国が誇るべき「和の精神」における，「和」は，人と同じことをするという「同」とは異なります。論語には，「君子は和して同ぜず，小人は同じて和せず」（論語・子路第13）というように，同と和が明確に区別されています。
　比ゆ的に言うと，同は，同音の斉唱，和は，「和音」を使った「合唱」と考えるとわかりやすいと思います。和音を使う合唱の場合，他人と同じにならないように，引きずられないように，自分のパートを守って，歌わなければなりません。
　同じにならず，違う音程を死守することで，結果的に調和（ハーモニー）が生まれるのです。つまり，「和の精神」とは，他人に引きずられずに，自分の考え方を維持することであり，そのことが，一致した目標の実現に向けて調和を生み出すのです。他人の意見に併せてしまったのでは，本当の調和は生まれないのです。
　この点で，日本のすべての教科書が，十七条の憲法第1条を「和をもって貴しとなす。さからうことなきを宗とせよ」までで，後を省略していることの重大な欠陥が明らかになります。十七条の憲法の一番重要な部分は，以下のような，第1条の後半部分だからです。
　
　上和（かみやわら）ぎ，下睦（しもむつ）びて，事を論ずるに諧（かな）うときは，すなわち事理（じり）自（おのずか）ら通ず。何事か成らざらん。
　
　違った意見を尊重し，みんなが分け合い合いと議論を尽くせば，ものごとの本質が明らかになり，困難な問題も解決するというのが，和の精神の最も重要な個所なのです。
　
(3) 子どもたちに言い訳ができますか?
　ジャック・アタリが警告しているように，大人たちが付けを次世代に残すことを放置していると，国家財政が破綻する危険が高くなります（前掲書164-165頁）。何よりも，子どもがスマホ中毒に罹患し，自分で考えることができなくなります。そして，温暖化で多くの都市が水没する以前に，国民の多くがAIに職を奪われることになりかねません。
　国連で演説した16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんの言葉を借りれば，「あなたたち〔大人〕が話しているのは、お金のことと，経済発展がいつまでも続く〔経済成長の持続的発展〕というおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか」，そして，「温暖化を放置するのであれば，〔大人たちが国の借金を放置し，私たちにその付けを回すようであれば，〕結果とともに生きなければいけない若い世代はあなたたちを許さない」ということになるのではないでしょうか。

(4) 大人が子どもたちにしてあげられることは何か?
　子どもの教育に関して，最近出版されて，ベストセラーになっている本が2冊あります。第1は，宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』新潮新書（2019/7/20），第2は，新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』東洋経済新報社（2019/9/19）です。
　全く違った観点から子どもの教育について論じているのですが，その結論がほぼ一致していることに驚かされます。
　現在は，認知能力を欠いている子どもたちが教育から放置されている，子どもたちがAI読みによって読解力が低下しているという共通認識の下，勉強を好きにならせるためには，基礎的で簡単な訓練，人の教える喜びを体験させることが必要である。子どもの基本的な認知能力を育てずに，スマホに頼ったり，「褒めて教育」したりすることは無責任だというのが，2つの本に共通する結論です。
　小学校の先生方が，この2冊の本を手に取って，クラスで落ちこぼれの5人に注目し，教育改善に取り込まれることを期待したいと思います。このような困難な仕事を支援することこそが，日出RCの出番となるのではないでしょうか。

６．結論：日出RCの今後の目標としての大人の責任
　ロータリークラブ（RC）の目的は，今日配布されている『ロータリーの友』10月号の6頁に記載されているように，「奉仕の理念を奨励し，これを育むことにある」です。しかし，これまでの活動を振り返ってみると，日出RCの活動は，自分たちの事業の発展と職業倫理の向上に偏ってきたように思われます。
　今後は，先に述べた「グレタさんの国連演説」を契機にして，大人の責任として，または，親ができることとして，次世代を担うこどもたちに付けを回すのではなく，子どもたちの教育に対する支援し，子どもたちに夢と希望を与えることを社会奉仕の中心に置くべきではないかと思います。
　そのように考えると，日出RCにおいては，本当の教育から放置されている子どもたちに奉仕することを通じて，すべての日出町の子どもたちが，私たちRCの会員と同じようなレベル，すなわち，町民税を滞りなく完納することができるように，以下のような目標を掲げて子どもの教育を支援することを目標とすべきではないでしょうか。
　私としては，2030年に向けて，日出RCの目標を以下のように設定することを提案したいと思います。
　

１．町と協力して，町に大学（私立・薬科単科大学）を誘致しよう。
　(1) 6年制の薬学部を町に誘致して，若者が地元で自立できるように支援する。
　(2) 薬学部が成功すれば，農学部を併設し，バイオテクノロジーの拠点とする。
　(3) 東九州活性化のため，中津，杵築，別府，大分，宮崎と連携し，学園都市群をめざす。
　(4) 人口の増加が進めば，小倉，中津，杵築，日出，別府，大分，宮崎を経由して，鹿児島までの新幹線を誘致する。
　
２．町と協力して，貧困をなくそう。
　(1) 国連のSDGs（持続的開発目標）プログラムを実施し，住みやすい街づくりを目指す。
　(2) 町民税の滞納者に立ち直りのためのプログラムを提供し，すべての町民が町民税を支払って真の市民となるための取り組みを行う。