皆さん今晩は。本日は、日出ロータリークラブの例会にお招きいただきまして、誠に有り難うございます。
　　日出警察署では6月末に捜査本部を設置する重大事件が管内で発生し、その後、全署員態勢により休日を返上しての捜査を行ってきました。その結果、署員の勤務時間が過重となり健康障害の発生が危惧されたことから、本日、ご出席の警察署産業医の鈴木貫史先生には、署員に対する個々面接と必要なご指導を頂いていますことに、厚くお礼を申し上げます。

　　それでは、日出警察署管内の治安情勢ということで説明させていただきます。交通事故の発生状況ですが、9月末現在の交通事故の発生件数は121件となっており、前年同期対比で+17件と増加傾向にあります。この事故件数というのは、事故により怪我のある人身事故のみが数として計上されていますから、それ以外の物損事故は含まれておりません。両方の事故の件数を合計しますと約650件となり、多くの交通事故が管内で発生しております。また、死亡事故についても8月25日に山香町内の国道において、町内の男性が運転する車が対向車線にはみ出し死亡するという痛ましい事故が発生しています。(事故の概要は省略)

　　ところで、管内で発生しました交通事故を分析しましたところ

• ① 事故形態では、追突事故が全件数の半数を占めている。次に、自過失事故が多発している。
• ② 路線別では、国道10号線で約6割が発生している。
• ③ 事故発生の主な原因をつくった第1当事者は、管外居住者が約6割を占めている。

　　等の特徴点が見られます。

　　発生件数は全県的に減少傾向にありますが、例外として国道10号線を管轄しております、中津、宇佐、日出警察署の3署については増加しております。これは本年6月に高速道路無料化実験が終了し、国道10号線の交通量が増加したことも一因ではないかと思われます。また、国道10号線を通行する大型車両の混入率が高くなっていることから、山香町で発生した正面衝突事故のような重大事故の発生が、今後、危惧されるところです。
　　皆さんにお願いですが、道路という場所は高速で車両が走行する場所ですから、本来は非常に危険なゾーンであるのですが、長年の生活の中で、すっかり慣れっこになっているのではないかと思います。道路においては、常に緊張感を持った運転なり道路横断を心掛けていただきたいと思います。

　　次に、犯罪発生状況ですが、傷害、窃盗等の刑法に触れる犯罪の発生件数は9月末現在で83件となっており、前年対比では-10件であり、その内、街頭犯罪と言われる自動販売機荒らし、車上狙い等の犯罪についても減少しており、非常に良い状況で推移しております。今後も自主防犯パトロール隊等の地域の方の協力を頂きながら、年末までの発生を1件でも少なく抑えるように、各種対策を推進していくことにしています。

　　重要事件関係ですが、6月27日に認知しました日出町川崎における高齢夫婦殺害事件、また、9月13日には同じ川崎地区で幼児行方不明事案が発生しております。（事案の概要については省略）
　　この2つの事件を川崎地区での捜査を進めて行くうちに、地区の気になる現状・特性というのが明らかになってきました。町内の豊岡地区等などの例を見ますと、長い年月により団地としての形成が終了し、住民の皆様のご努力により地区内のコミュニケーション、防犯意識・連帯意識が構築されてきました。しかし、この川崎地区は住宅開発の途上であり、旧来の住民の方が居住している地区内のあちこちで宅地造成がなされ、新たな住民の方が転入して居住を始めていますが、新規転入者の方の中には人間関係の煩わしさから隣保班にも加入せず、付近住民との交際も希薄な状況の方も窺われます。
　　また、旧来から居住している住民の方については、高齢者夫婦のみ家庭が増加するなど高齢化が進んでいることから外出の機会も希となり、また、新規転入者等の付近居住者との交流を含めた交際範囲も狭まっていることが窺えます。
　　このような現状が、捜査において関係者の普段の様子等を確認するのに、困難を強いられる一因にもなっています。

　　話は変わりますが、オレオレ詐欺の発生の一因として親子間の絆が希薄になったということが良く挙げられます。親子間相互の従来・連絡も疎遠となり、自分の子供の声の識別もまま成らない状態になり、相手の声に騙され詐欺被害に遭うという実態も確認されています。このような事から、今まで以上に家庭なり地域における絆を強めることが、各種犯罪の抑止に必ず繋がると考えています。

　　以上、管内の治安情勢について説明をいたしましたが、警察は限られた人員で事件・事故等に対応しており、皆様方のご協力は不可欠のものです。今後ともご協力を宜しくお願いします。また、2つの事件に関する情報がありました些細なことでも結構ですから、お寄せいただきたいと思います。

警察署長卓話資料

日出警察署管内の治安情勢

1　交通事故発生状況

　（1）交通事故発生件数

（平成23年9月30日現在）

	日　出　署				大　分　県
	H23	H22	増減数	増減率	H23	H22	増減数	増減率
件　　数	121	104	17	16.3%	4,331	4,514	-183	-4.1%
死 者 数	1	1	0		32	43	-11	-25.6%
負傷者数	169	150	19	12.6%	5,638	5,900	-262	-4.4%

※死亡事故の概要
　8月25日（木）午後5時5分ころ　山香町大字立石の国道10号
　山香町居住の68歳の男性が、軽四トラックを運転中、緩やかな東カーブで中央線を越え、対向から進行して来た普通トラックと正面衝突し死亡

　（2）事故の特徴

• ◎　事故発生件数が、昨年同期に比べ増加
  　　全県では減少している中、日出署を含む4署で増加（宇佐、中津、津久見）
• ◎　事故形態では「追突」が59件（48.8%）
• ◎　路線別では国道10号で72件（59.5%）
• ◎　第一当事者の居住地は管外居住者が69件（57.0%）

2　犯罪発生状況

　（1）犯罪発生件数

（平成23年9月30日現在）

	日　出　署				大　分　県
	H23	H22	増減数	増減率	H23	H22	増減数	増減率
全刑法犯	88	98	-10	-10.2%	6,334	6,593	-259	-3.9%
街頭犯罪	37	40	-3	-7.5%	2,809	3,015	-206	-6.8%
侵入窃盗	12	19	-7	-36.8%	630	560	+70	+12.5%

　（2）　事件関係

• ◎　日出町川崎における高齢夫婦殺害事件
  　（被害者）
  　　住所　速見郡日出町川崎　　　笠置　司文さん　　　ケマコさん
  　（事件概要）
  　　6月27日「自宅内で2名が死亡している」との届出を受け、捜査中
• ◎　日出町川崎における幼児行方不明事案
  　（行方不明の幼児）
  　　住所　速見郡日出町川崎　　　江本　琴音　ちゃん　　2歳10ヶ月
  　（事件概要）
  　　9月13日「日出町川崎のスーパー駐車場で駐車中の車内から、幼児がいなくなった」との母親からの届出を受け、捜査中

謝辞

山田滋彦会長

　　本日は大変お忙しい中、私たち会員に日出署管内の治安情勢について交通、犯罪状況の興味あるお話をして頂きましてありがとうございました。
　　現在日出地区で3つに及ぶ事件が未解決であり、署長さんを始め署員の皆様は日夜大変だと思いますが、われわれ地域住民の安全、安心のためによろしくお願い致します。まだまだ署長さんも心労が続くかと思いますが充分お体には気を付けて頂きたいと思います。
　　本日はありがとうございました。